技術開発や製造に際して原価を意識することが必要です。技術開発や製造のセクションでは、原価を意識する人が多くありません。企業が利益を増やす一つの方法は、コストを減らすことです。ところが、現実としてコストを減らすためには、費用の対象、費用の内容とともに、その金額が何円かかっているのか知らなくてはなりません。そうでなければ、費用を減少させることはできません。
ということになると、まずは費用を区別することから始まります。
飲食店を例にすると、製造業に属するわけではないのですが、料理を作って販売しているというところでは製造業と言い換えてもいいでしょう。このようなケースでは、製造に組み付く費用のことを、製造するのにかかるコストといいます。一般的に、価格帯と言われるのは製作するのにかかる金額のことになります。また、製造原価に販売費や一般管理費を追加したものは総原価です。製造原価はこの3つに分けることができます。
材料費(モノを製造するために必要な材料にかかる費用)、労務費(モノづくりにたずさわる人に対して使われる費用)、経費(材料費や労務費以外で製造に使われる費用)の3つの要素です。原価の3要素は直接費と間接費に分けることができます。
会社や工場で製品の個別の原価を知るために原価計算を実施します。1つの製品だけしか製造していない会社や工場であるならばさきほどの原価の3要素に分けさえすれば、製品の原価が計算できるのですが、たいていの会社や工場では複数の商品を扱っているはずです。複数扱っている場合では、それぞれの製品にわたって消費される費用があるので、原価の3要素だけでは原価計算をちゃんとおこなうことができないのです。
技術開発や製造部門の人々は、ここまでのことは理解してません。それはよくあることです。それぞれの部門で、個々が自分のベストを尽くすことでいいのです。全体を見る人は他にいます。そうして、会社や工場は発展していくのです。